そのヒイラギ、本物ですか?

~日本のヒイラギと西洋ヒイラギ、その違いとトゲの秘密~

日本で「ヒイラギ」と聞くと、イングリッシュホーリーも西洋ホーリーも、まとめて同じものとして扱われがちです。でも実は、日本のヒイラギと西洋のヒイラギは、そもそも別の植物です。

いわゆる日本のヒイラギは、金木犀と同じモクセイ科に属し、実も黒っぽい色をしています。一方、西洋ヒイラギ(イングリッシュホーリーなど)は、もちの木科。科のレベルで違う、まったくの別種なのです。

日本では昔から、家の庭の表鬼門(北東)にヒイラギ、裏鬼門(南西)にナンテンを植えると良いとされてきました。いわゆる鬼門除けですね。また、節分の夜にヒイラギの枝に鰯の頭を刺して門戸に飾る「柊鰯(ひいらぎいわし)」という風習も、全国的に見られます。「鰯の頭も信心から」という言葉も、ここから来ています。

実は学生の頃、住んでいたアパートでこの光景に出くわしたことがあります。干からびた魚にヒイラギが刺さったものが、表階段に取り付けられていて、見るたびに正直怖くて……。何か変な宗教か、黒魔術的なものだとばかり思い、その家の人を無意識に避けてしまっていました。この風習の意味を知ったのは、ずいぶん後になってから。今思うと、隣人にとても失礼なことをしてしまいました😓

植物としての見分け方も、実ははっきりしています。日本のヒイラギは葉が「対生」するのに対し、セイヨウヒイラギは「互生」。この違いだけでも判別が可能です。

イングリッシュホーリーといえば、あの鋭くギザギザした葉がとても印象的で、本当に美しい植物です。ただ、日本、少なくとも東京では、あの典型的な姿のものを見かけることはほとんどありません。緯度の近い北海道にはあるのでしょうか……少し気になるところです。

東京あたりで手に入るヒイラギの多くは、西洋ヒイラギではあるものの、葉の形は丸みがあり、トゲも控えめなタイプがほとんどです。

今回、私が描いたヒイラギも西洋ヒイラギ。観察していて気づいたのは、下の方の葉にはトゲが多く、上の方の葉になるほど丸くなり、トゲが少なくなっていることでした。調べてみると、下の葉は虫に食われやすいため、防御としてトゲが発達し、虫が届きにくい上の葉にはトゲが出にくくなるのだそうです。

なんて面白い現象なんでしょう。

植物は、こうして環境に適応しながら進化してきたのですね。

知れば知るほど、描く対象としての植物が、ますます魅力的に見えてきます。

宮澤 香代子

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